オペレーティングシステム

URL


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講義ページ (単一ページ版)
https://lsnl.jp/l/os

講義ページ (複数ページ版 (モバイル端末向け)、各回の資料のみ)
https://lsnl.jp/~ohsaki/lecture/os/2025/toc.html

[授業開始時に提出] 出席確認フォーム (パスワードが必要です)
https://lsnl.jp/app/lecture/attend/show/os

[授業中に使用] オペレーティングシステム CTF (パスワードが必要です)
https://lsnl.jp/~ohsaki/lecture/os/2025/priv/ctf.html

[授業中に使用] クリッカー (パスワードが必要です)
https://lsnl.jp/app/lecture/clicker/show/os

[授業中に提出] リフレクションシート (パスワードが必要です)
https://lsnl.jp/app/lecture/refl/show/os

[自習後に提出] レポート送信フォーム (パスワードが必要です)
https://lsnl.jp/app/lecture/report/show/os

講義ビデオ (パスワードが必要です)
https://lsnl.jp/video/os/2025/

担当教員

大崎 博之
関西学院大学 工学部 情報工学課程
E-mail: os-staff[atmark]lsnl.jp

講義目的

コンピュータの基本ソフトウェアであるオペレーティングシステムの概念と、 その原理を学ぶ。 オペレーティングシステムの歴史、 プロセスとスレッド、 デッドロック、 メモリ管理、 入出力、 ファイルシステムなど基本的な概念に加えて、 マルチメディア処理、 マルチプロセッサシステム、 セキュリティなど最近のトピックについても学ぶ。

到達目標

オペレーティングシステムの基本的な概念が理解できるようになる。

授業方法

まず、 オペレーティングシステムに関する技術のエッセンスを説明する。 その後、 それらの技術が、 現在広く利用されているオペレーティングシステムにどのように実現されている (もしくは実現されていない) かを解説する。 オペレーティングシステムを、 学術的な観点と、 実践的な観点の両方から学ぶため、 非常に興味を持って取り組めるであろう。

【オンライン受講生対象】 オンラインでの受講を許可された学生に対しては、 同時双方向型オンライン授業で対応します。

資料の掲載場所: https://lsnl.jp/l/os

同時双方向型オンライン授業への接続方法については担当教員 (ohsaki[atmark]kwansei.ac.jp) に問い合わせてください。

参考書

Andrew S. Tanenbaum 『モダンオペレーティングシステム第 2 版』 (ピアソン・エデュケーション・ジャパン、 2004 年) (絶版)

成績評価

授業中試験 50%、平常リポート 50%

スケジュール

  2025 年度 オペレーティングシステム講義スケジュール (予定)

  2025-04-11 オペレーティングシステムの概要
  2025-04-18 CPU の原理
  2025-04-25 プロセスとスレッド
  2025-05-02 プロセス間通信
  2025-05-09 スケジューリング (1)
  2025-05-16 スケジューリング (2)
  2025-05-23 前半の総復習
  2025-05-30 メモリ管理(1)
  2025-06-06 メモリ管理(2)
  2025-06-13 入出力 (外部 I/O)
  2025-06-20 入出力 (ユーザインターフェース)
  2025-06-27 ファイルシステム
  2025-07-04 後半の総復習
  2025-07-11 授業中試験



大崎が担当する科目に共通の連絡事項・アドバイス

注意事項、 教育方針、 学習のポイント、 病欠/公欠の時に何をすればよいか等を説明しています。

  大崎が担当する科目に共通の連絡事項・アドバイス
  https://lsnl.jp/~ohsaki/lecture/



1. オペレーティングシステムの概要

授業の流れ

1. 解説 (40 分)
2. グループワーク (40 分)
3. 確認テスト (10 分)
4. 採点・リフレクションシート記入 (10 分)

チーム分けの方針

- いろいろな人とチームになる
- チームの人数は自由に決めてよい

態度目標

- しゃべる
- 質問する
- 説明する
- 動く (立ち歩く)
- チームで協力する
- チームに貢献する

内容目標

- オペレーティングシステムとは何かを他人に説明できるようになる。

- シングルタスク型とマルチタスク型のオペレーティングシステムの違いを他人に説明できるようになる。

- オペレーティングシステムにおけるプリエンプティブ・マルチタスキングの概要を他人に説明できるようになる。

- パソコンやスマートフォンに搭載されているオペレーティングシステムの種別を確認できるようになる。

課題

注意: Wikipedia 日本語版およびブログ等を情報源として用いてはならない。

英語が苦手な人へ: 英語のトレーニングも兼ねて、 日頃から英語の文献を読むことをおすすめします。 英語を読み続けるのがつらい場合は、 日本語の文献を探すのではなく、 機械翻訳 (ChatGPT がおすすめ) を使いましょう。

課題 1

オペレーティングシステム (operating system) とは何かを説明せよ。

なぜ、 operation system ではないのか? なぜ、 (日本では「基本ソフトウェア」と呼ばれるのに) basic software ではないのか? なぜ、 operating software ではないのか?

課題 2

シングルタスク型 (single-tasking) とマルチタスク型 (multi-tasking) のオペレーティングシステムの違いを説明せよ。

課題 3

パソコンやスマートフォン等の上で、 複数のプログラムを同時に実行できる (ように見える) のはなぜかを説明せよ。

課題 4

自身が所有しているパソコンもしくはスマートフォンに搭載されているオペレーティングシステムの正確な名称およびバージョンを実際に確認せよ。 確認方法と、 確認によって判明したオペレーティングシステムの名称およびバージョンを答えよ。

略解

課題 1

---- JIS X0001 04.08
operating system:プログラムの実行を制御するソフトウェアであって,資源割振り,スケジューリ
ング,入出力制御,データ管理などのサービスを提供するもの.〈備考〉オペレーティングシステム
は,ソフトウェアが主体であるが,部分的にハードウェア化することも可能である.

---- エンカルタ'05: オペレーティング・システム [Operating System]
オペレーティング・システム Operating System コンピューターの基本ソフトウェア。OSと略され
ることが多い。本来は、コンピューターを動作させるために必要な最小限のソフトウェア。メモリー、
CPUの処理時間、ディスク、周辺機器などのハードウェアの割り当てや、その使用を管理する。ワー
ドプロセッサーやスプレッドシートのようなアプリケーションを建物とすると、オペレーティング・シ
ステムは、土台にあたるものである。

---- 広辞苑5: オペレーティング-システム【operating system】
コンピューターで、利用者とハードウェアの間にあって、利用者がコンピューター-システムをで
きるだけ容易に使うことができるようにするための基本的なソフトウェア。OS

Operating system
https://en.wikipedia.org/wiki/Operating_system

課題 2

参考資料

Types of operating systems
https://en.wikipedia.org/wiki/Operating_system#Types_of_operating_systems

課題 3

参考資料

Computer multitasking
https://en.wikipedia.org/wiki/Computer_multitasking

課題 4

参考資料

Check & update your Android version
https://support.google.com/android/answer/7680439?hl=en

Find the software version on your iPhone, iPad, or iPod
https://support.apple.com/en-us/HT201685

How do I determine the OS version at runtime in OS X or iOS (without using Gestalt)?
https://stackoverflow.com/questions/11072804/how-do-i-determine-the-os-version-at-runtime-in-os-x-or-ios-without-using-gesta

How can I check the system version of Android?
https://stackoverflow.com/questions/3093365/how-can-i-check-the-system-version-of-android

確認テスト

確認テストは持込み不可です。 回答用紙は、 持っている好きな用紙を使用してください。 ノートの 1 ページを使っても、 タブレット上に電子的に記入してもかまいません。 手持ちの紙がない人には A4 のコピー用紙を配布します。

回答後、 周囲の人と答案を交換して、 相互採点してください。 間違っている箇所があれば、再度解き直してください。 その後、周囲の人に再度採点を依頼してください。

100 点満点の答案になるまで上記を繰り返してください。

リフレクションシート記入

以下のページから、リフレクションシートを記入して送信してください。

[授業中に提出] リフレクションシート (パスワードが必要です)
https://lsnl.jp/app/lecture/refl/show/os

上記のフォームの上部にリフレクションシートのねらいや、 何を記入すべきかを説明しています。 これらをよく読んで、指示に従ってください。

リフレクションシートの提出期限は授業実施日の 23:59 です。

Wikipedia の説明

Computer multitasking https://en.wikipedia.org/wiki/Computer_multitasking

In computing, multitasking is the concurrent execution of multiple tasks
(also known as processes) over a certain period of time. New tasks can
interrupt already started ones before they finish, instead of waiting for
them to end. As a result, a computer executes segments of multiple tasks in
an interleaved manner, while the tasks share common processing resources
such as central processing units (CPUs) and main memory. Multitasking
automatically interrupts the running program, saving its state (partial
results, memory contents and computer register contents) and loading the
saved state of another program and transferring control to it. This "context
switch" may be initiated at fixed time intervals (pre-emptive multitasking),
or the running program may be coded to signal to the supervisory software
when it can be interrupted (cooperative multitasking).

ChatGTP による日本語訳

コンピューティングにおいて、マルチタスキングとは、一定期間に複数のタスク(プ
ロセスとも呼ばれる)を同時に実行することです。新しいタスクは、既に開始された
タスクが終了するのを待つのではなく、それらを中断することができます。その結果、
コンピュータは複数のタスクのセグメントを交互に実行しながら、中央処理装置
(CPU)やメインメモリなどの共通の処理リソースを共有します。マルチタスキング
は自動的に実行中のプログラムを中断し、その状態(部分的な結果、メモリ内容、コ
ンピュータレジスタの内容)を保存し、別のプログラムの保存された状態を読み込ん
で制御を移行します。この「コンテキストスイッチ」は、固定された時間間隔で開始
されることがあります(プリエンプティブマルチタスキング)、または、実行中のプ
ログラムが監視ソフトウェアに対して中断可能であることを通知するコードが組み込
まれている場合があります(協調マルチタスキング)。

マルチタスク https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%83%81%E3%82%BF%E3%82%B9%E3%82%AF

マルチタスク (英: multi tasking) は、コンピュータにおいて複数のタスク(プロセ
ス)を切り替えて実行できるシステムのことである。Unix など「プロセス」という用
                       ============ システムではない
語を使うシステムではマルチプロセスともいう(ほぼ同じものを別のシステムでは別の
                  ============ task/tasking/process/processing を混同している
名で呼んでいることもあれば、違うものを同じ名で呼んでいることもあれば、何らかの
                                      
理由で呼び分けていることもある)。マルチプログラミングという語は複数のプログラ
============================ multitasking の本質と関係ない話
ムを動かすという点に着目した語である(一般に、「タスク」とか「プロセス」は、プ
ログラムの活動実体、といったようなものを指す語である)。逆に、同時に一つのタス
                                       ======= これは単なる task/process の話
クしか実行できない方式をシングルタスクという。
                === マルチタスクは「システム」で、シングルタスクは「方式」?

レポート課題 2025-04-11

授業終了後に自習を行い、 到達目標まで到達せよ。 疑問に思った点、 わからない点は各自で信頼できる文献を用いて調査せよ。

その後、 「今週の作業内容」、 「『内容目標』をどの程度達成できた/できなかったか」、 「質問・要望・コメント」、 「感想」を「レポート送信フォーム」から送信せよ。

レポート課題の内容や書き方については、 レポート送信フォームに説明があるのでそちらを参照せよ。

提出方法: 「レポート送信フォーム」から送信せよ。 レポートが正しく提出されると、 レポートの控えが自身のメールアドレス宛に送信される。 レポートの控えは成績発表まで保存しておくこと。 レポートが再提出された場合は、 新しいほうを採点対象とする。

提出期限: 次回の授業開始の 48 時間前とする (例えば、 4/11(金) の課題であれば、 4/18(金) 5:05pm の 48 時間前である 4/16(水) 5:05pm)。 期限を過ぎたものは受理しない。

注意事項: 「質問・要望・コメント」は匿名にした上で公開する (講義ページに掲載する)。 公開されて困る内容は「質問・要望・コメント」等に含めないこと。 個人的な質問・相談等は「感想」の覧に記入せよ。

質問

- なぜコンピューターはハードウェアでマルチタスクを行わないのですか?

ハードウェアを使ってマルチタスキングを行うものもあります。単一の CPU で、な
ぜプリエンプティブでマルチタスキングを実現するのか、という意味なら、他に方法
がないからです。多重度 16 とか多重度 32 でよいなら専用ハードウェアでの実現も
可能ですが、専用ハードウェアでは任意の多重度に対応できません。

- 英語の文献を調べるコツを教えてほしいです。

英語の文献の探し方ですか? 読み方ですか? 探し方なら、できるだけ一次情報を見る
ことです。

- 自習するにあたって参考にしても良いサイトとそうでないサイトの基準があれば教えて欲しいです。文献や大学の教授が書いた資料以外は避けた方が良いのでしょうか。

参考にしも「良い」/「良くない」の二値ではないのが難しいところですね。この文
献は信頼度 78% で、あの文献は信頼度 34% という世界です。

基本は一次情報からの距離です。

著者: 考案者/発明者 → 考案者/発明者と同じグループの人 → その分野で超一流の
人 → その分野の専門家 → 一般エンジニア/大学院生、実名の人 → 匿名の人

文献の種別: 考案者/発明者が書いた原著論文 → 超一流の人が書いた論文 → 教科
書 → 専門書 → 一般書 → 集合知 (Wikipedia) → ネット上の情報 (ブログ、X、
YouTube)

例えば、Dijkstra 法について調べるのであれば、Dijkstra が書いた原著論文が最高
の文献です。よくわからない人が書いたブログ記事や、よくわからない人が発信して
いる YouTube のビデオが最低の文献(情報)です。

- iOSなどのモバイル向けOSがデスクトップ向けOSに比べて工夫されていることは何ですか?

いろいろありますが、一番大きいのは省電力を下げる工夫だと思います

- 1つ目の解答欄に「どのような自習を行いましたか? 」という質問がありますが、これは学習した内容を問うているのですか。それとも、自習の取り組み方を聞かれているのですか。今回は後者の方ととらえて解答させていただきました。

 両方です。何を勉強したのか(内容)、どんな方法で勉強したのか(手段・形式)、どん
 な目的で行ったのか(目的)を書いてください。
 

- 最近のOSにRustとC(C++)のどっちを使うか?どっちも使うか?みたいな話にどう思ってらっしゃいますか?

「さすがに今後も C や C++ で書き続けるのはしんどいけど、どっちの方向に行くの
だろう」と思ってます。

- この欄は、特に何もなければ今後空欄で提出しても問題ありませんか。

はい。

- 授業内で行った課題のような問題が定期テストで出る感じですか?

はい。

要望

- グループワークの時間もう少し増やしてほしいです。

説明の時間を取りすぎないようにします。

- 実際のスマホやPCでは、OSのアップデートでマルチタスクの性能はどれほど変わるのか気になりました。

コメント

- 初めての授業形態でしたが自分のためになる形式だと思いました。

- いい授業でした。

- 可能であれば教室を横長のものに変更してほしい。初回授業に苦しんだが、スクリーンが見えにくく感じる席に座ってしまった。

  前方の席が空いていますので、見やすい席を探してみてください。



2. CPU の原理

授業の流れ・チーム分けの方針・態度目標

2025-04-11 のものと同じ。

https://lsnl.jp/~ohsaki/lecture/os/2025/#12-1

内容目標

- 簡単なプログラムに対して、ミニ CPU の動作をトレースできるようになる。

- ミニ CPU の動作を手作業でトレースすることにより、CPU の原理を理解する。

- ミニ CPU とオペレーティングシステムの動作をシミュレートすることにより、プリエンプティブ・マルチタスキングの原理を理解する。

課題

資料: 「ミニ CPU」によるコンピュータおよびオペレーティングシステムの動作の理解
https://lsnl.jp/~ohsaki/lecture/os/2025/priv/mini-cpu.pdf

課題 1

資料中の E1 (12 + 34 = 46) の動作をトレースせよ。 各ステップにおける、 4 枚のカード (PC、 A、 B、 C) の値と、 ノート 5 行目の値の変化を書き出せ。

課題 2

資料中の E2 (1〜3 の和の計算) の動作をトレースせよ。 各ステップにおける、 4 枚のカード (PC、 A、 B、 C) の値と、 ノート 10 行目の値の変化を書き出せ。

課題 3

資料中の E3 (1〜4 の積の計算) の動作をトレースせよ。 各ステップにおける、 4 枚のカード (PC、 A、 B、 C) の値と、 ノート 10 行目の値の変化を書き出せ。

課題 4

資料中の E4 (1〜5 の積の計算) におけるプリエンプティブ・マルチタスキングの動作を、 「ミニ CPU 係」と「オペレーティングシステム係」の 2 人がペアになってシミュレートせよ。

ミニ CPU 係の役割: 現在のカードセットを使って、 ミニ CPU の動作をひたすら実行する。 オペレーティングシステム係の指示に従ってカードセットを切り替える。 ただし、 カードセットを切り替えられるのはステップ 1 (PC カードに書かれている行番号の「指示」をノートから読み込む) の直前のみである。 つまり、 ステップ 1〜3 はまとめて一気に実行する (途中で切り替えられることはないアトミックな処理である)。

オペレーティングシステム係の役割: 自由なタイミング (例えば 10 秒ごと) で、 ミニ CPU に対して「はい、 カードセットを切り替えてください」と指示する。

略解

課題 1

| PC |  A |  B | C | 5行目の値 |
|----+----+----+---+-----------|
|  0 |  0 |  0 | 0 |         0 |
|  1 | 12 |  0 | 0 |         0 |
|  2 | 12 | 34 | 0 |         0 |
|  3 | 46 | 34 | 0 |         0 |
|  4 | 46 | 34 | 0 |        46 |
|  4 | 46 | 34 | 0 |        46 |
|  4 | 46 | 34 | 0 |        46 |
|  4 | 46 | 34 | 0 |        46 |
|  4 | 46 | 34 | 0 |        46 |
|  4 | 46 | 34 | 0 |        46 |

課題 2

| PC |  A | B | C | 10行目の値 |
|----+----+---+---+------------|
|  0 |  0 | 0 | 0 |          0 |
|  1 |  0 | 0 | 0 |          0 |
|  2 |  0 | 1 | 0 |          0 |
|  3 |  1 | 1 | 0 |          0 |
|  4 |  1 | 1 | 0 |          0 |
|  5 |  1 | 1 | 0 |          0 |
|  6 |  1 | 2 | 0 |          0 |
|  2 |  1 | 2 | 0 |          0 |
|  3 |  3 | 2 | 0 |          0 |
|  4 |  3 | 2 | 0 |          0 |
|  5 |  3 | 2 | 0 |          0 |
|  6 |  3 | 3 | 0 |          0 |
|  2 |  3 | 3 | 0 |          0 |
|  3 |  6 | 3 | 0 |          0 |
|  4 |  6 | 3 | 0 |          0 |
|  7 |  6 | 3 | 0 |          0 |
|  8 |  6 | 3 | 0 |          6 |
|  8 |  6 | 3 | 0 |          6 |
|  8 |  6 | 3 | 0 |          6 |
|  8 |  6 | 3 | 0 |          6 |

課題 3

| PC |  A | B | C | 10行目の値 |
|----+----+---+---+------------|
|  0 |  0 | 0 | 0 |          0 |
|  1 |  1 | 0 | 0 |          0 |
|  2 |  1 | 1 | 0 |          0 |
|  3 |  1 | 1 | 0 |          0 |
|  4 |  1 | 1 | 0 |          0 |
|  5 |  1 | 1 | 0 |          0 |
|  6 |  1 | 2 | 0 |          0 |
|  2 |  1 | 2 | 0 |          0 |
|  3 |  2 | 2 | 0 |          0 |
|  4 |  2 | 2 | 0 |          0 |
|  5 |  2 | 2 | 0 |          0 |
|  6 |  2 | 3 | 0 |          0 |
|  2 |  2 | 3 | 0 |          0 |
|  3 |  6 | 3 | 0 |          0 |
|  4 |  6 | 3 | 0 |          0 |
|  5 |  6 | 3 | 0 |          0 |
|  6 |  6 | 4 | 0 |          0 |
|  2 |  6 | 4 | 0 |          0 |
|  3 | 24 | 4 | 0 |          0 |
|  4 | 24 | 4 | 0 |          0 |
|  7 | 24 | 4 | 0 |          0 |
|  8 | 24 | 4 | 0 |         24 |
|  8 | 24 | 4 | 0 |         24 |
|  8 | 24 | 4 | 0 |         24 |
|  8 | 24 | 4 | 0 |         24 |

課題 4

省略

参考図書

独習アセンブラ 新版
https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798170299

レポート課題 2025-04-18

「レポート課題 2025-04-11」と同じ。

https://lsnl.jp/~ohsaki/lecture/os/2025/#10-10

質問

- 初回の講義時点では履修科目が未確定であったため、修正期間中に本科目を新たに履修することを決めました。そのため、第1回の講義への出席および課題提出ができておりません。つきましては、何か救済措置などご対応いただける可能性はありますでしょうか。

以下のページを見てください。

第 1 回目の授業を欠席した場合の手続き・学習法
https://lsnl.jp/~ohsaki/lecture/#7

- 講義ページの前回の質問についてのところに「授業内で行った課題のような問題が定期テストで出る」と書かれてありますが、これは定期テストではなく7月11日に行われる授業中試験のことでしょうか?

はい

- CPUのクロックレートが上がって処理できる命令が増えてもパソコン内の時間が早く進まないのはなぜですか?

いい質問ですね。RTC (Real-Time Clock) 等のハードウェアが搭載されているからです。

- このレポートはどのように評価し、どのように点数をつけるのですか?

内容に応じて評価します。

要望

コメント

- 今回の授業ではトレースを扱ったが、最初は苦手であったが徐々にではあったが、理解することができた。次の授業でも深く学んでいきたいと思った。

- 授業中に手を動かして考えることで、後からの復習で初めて演習する授業よりもしっかり内容が身についたように感じました。より定着する勉強習慣を身につけていきたいです。

- 全体的に難しいと感じましたが、他の人と一緒に復習することでより理解を深められました。

3. プロセスとスレッド

授業の流れ

1. 解説 (40 分)
2. グループワーク (30 分)
3. オペレーティングシステム CTF (10 分)
4. グループワーク (10 分)
5. リフレクションシート記入 (10 分)

チーム分けの方針・態度目標

2025-04-11 のものと同じ。

https://lsnl.jp/~ohsaki/lecture/os/2025/#10-1

内容目標

- プロセスの状態遷移図を描き、なぜそうなるかを他人に説明できるようになる。

- ミニ CPU の動作を手作業でトレースすることにより、「プロセス」と「スレッド」の違いを理解する。

- プロセスとスレッドの原理から、それぞれの利点・欠点を理解する。

課題

課題 1

プロセスの状態が running から waiting に遷移するのはどの場合か。

                        +--------------->
                        |
                  +-----------+
           +----->|  running  |-----+
           |      +-----------+     |
           v                        v
      +-----------+           +------------+
----->|  waiting  |<----------|   blocked  |
      +-----------+           +------------+

1. プロセスが生成された。
2. プロセスが終了した。
3. プロセスが入出力要求を行った。
4. 入出力要求による処理が完了した。
5. より優先度の高いプロセスが waiting 状態となった。

課題 2

課題 1 におけるプロセスの状態遷移図では、 状態数が 3 であるため、 合計 6 (= 3 x 2) 通りの遷移が考えられる。 状態遷移図に 4 通りの遷移しか示されていないのはなぜかを説明せよ。

課題 3

以下の資料を読み、 2025-04-18 の課題 3 と同じように、 資料中の E4 (2 スレッド版) および E5 (2 プロセス版) におけるプリエンプティブ・マルチタスキングの動作を、 「ミニ CPU 係」と「オペレーティングシステム係」の 2 人がペアになってシミュレートせよ。

資料: 「ミニ CPU」 によるスレッドとプロセスの理解
https://lsnl.jp/~ohsaki/lecture/os/2025/priv/mini-cpu-process.pdf

課題 4

課題 3 におけるスレッドとプロセスのトレース結果をもとに、 スレッドの利点・欠点が以下のように説明される理由を説明せよ。

Threads vs processes
https://en.wikipedia.org/wiki/Thread_%28computing%29#Threads_vs_processes

- Lower resource consumption of threads
- Simplified sharing and communication of threads
- Thread crashes a process

略解

課題 1

5

※ 5 が正解であること、 それ以外が正解でないことを論理的に説明できるようにせよ。

課題 2

blocked → running: blocked 状態は OS のスケジューリング対象ではないから

waiting → blocked: waiting 状態では OS に入出力を要求できないから

課題 3

省略

課題 4

- Lower resource consumption: E4 (2 スレッド版) では 「ノート」(メモリ) を切り替える必要がないから。

- Simplified sharing and communication: E4 (2 スレッド版) では 「ノート」上の値を 2 つのスレッドが共有できるから。

- Thread crashes a process: E4 (2 スレッド版) では一方のスレッドが他方のスレッドが使う「ノート」を破壊できるから。

オペレーティングシステム CTF

[授業中に使用] オペレーティングシステム CTF (パスワードが必要です)
https://lsnl.jp/~ohsaki/lecture/os/2025/priv/ctf.html

レポート課題 2022-04-25

「レポート課題 2025-04-11」と同じ。

https://lsnl.jp/~ohsaki/lecture/os/2025/#10-10

質問

- runningになったプロセスがrunning→blocked→waitingに遷移する時は、プロセス内のスレッドが全く実行されないのか、それともスレッドの実行途中でもblockedに遷移されることがあるのでしょうか。

スレッドはプロセスの一部です。プロセスが blocked 状態の時はスレッドも停止し
ます。

山田家 (プロセス) に、長男の山田一郎 (スレッド 1) と次男の山田次郎 (スレッド
2) がいるようなものです。山田家 (プロセス) が活動していない時は、一郎 (スレッ
ド 1) と次郎 (スレッド 2) も活動していません (活動できません)。

要望

- 席移動までの40分間の時間で、これからやる課題を解くにあたってのヒントをもう少し具体的にお願いしたいです。席移動してからお互い分からなさすぎて話し合えない事が多いので。

グループワークの時間を確保したいので、アクティブラーニングで解決してください。
つまり、わからないことがあれば (グループワークの早い段階で) わかっている人を
探して教えてもらってください。

コメント

- CTFの問題と解答をセットで何度もチャレンジできると(そして問題がどんどん増えていくと)ゲーム感覚で学習が進んでいいなと思いました。

- 次の授業も色んな人とお話ししながら学んでいきたいと思います。

- プロセスとスレッドについて、そのどちらの方式を用いるかは自動で決めることができるのかあるいは何によって決まるのかが気になりました。

  将来的にそういうプログラミング言語ができるかもしれませんが、現状はプロセスを
  使うかスレッドを使うかはプログラマが決めます (プログラムをどう設計するかで決
  まります)。



4. プロセス間通信

授業の流れ・チーム分けの方針・態度目標

2025-04-25 のものと同じ。

https://lsnl.jp/~ohsaki/lecture/os/2025/#12-1

内容目標

- プロセス間通信とは何かを理解し、他人に説明できるようになる。

- プロセス間通信によって何が実現できるかを他人に説明できるようになる。

- ミニ CPU の動作例を用いて、スレッドによる競合状態 (race condition) が発生する原理を理解できるようになる。

課題

資料

Inter-process communication
https://en.wikipedia.org/wiki/Inter-process_communication

Semaphore (programming)
https://en.wikipedia.org/wiki/Semaphore_(programming)

課題 1

以下の空欄 [ ア ]〜[ カ ] にあてはまる最も適切な語句を以下の (1)〜(15) から選べ。

プロセス間通信 (Inter-Process Communication; IPC) とは、 コンピュータ上で動作している [ ア ] 同士が情報を [ イ ] するための機能である。 コンピュータ上で動作しているプロセスは、 それぞれ [ ウ ] した [ エ ] を有しているため、 [ ア ] 同士が通信を行うためには、 [ オ ] が提供する何らかの仕組みを使用する必要がある。 代表的なプロセス間通信として、 [ エ ] の一部を複数の [ ア ] で共有する [ カ ] が挙げられる。

(1) アドレス、 (2) オペレーティングシステム、 (3) コンパイル、 (4) スレッド、 (5) ファイルサーバ、 (6) プロセス、 (7) マルチタスキング、 (8) メモリ空間、 (9) ユーザ、 (10) レジスタ、 (11) 交換、 (12) 保存、 (13) 共有メモリ、 (14) 実行、 (15) 独立

課題 2

実現のためにプロセス間通信が不可欠なものをすべて答えよ。

1. バックアップソフトウェア
2. プリエンプティブ・マルチタスキング
3. 複数プロセスの同期実行
4. 並列アルゴリズムの実装
5. 分割コンパイル

課題 3

資料: ミニ CPU の動作例 E6: 競合状態 (race condition) が発生する例 (2 スレッド版)
https://lsnl.jp/~ohsaki/lecture/os/2025/priv/mini-cpu-ipc.pdf

プリエンプティブ・マルチタスキングによる資料中の E6 (2 スレッド版) の動作を、 「ミニ CPU 係」と「オペレーティングシステム係」の 2 人がペアになってシミュレートせよ。

競合状態が発生しない場合と、 競合状態が発生する場合の両方をシミュレートせよ。

課題 4

スレッド同士であれば、 プロセス間通信 (より正確には「スレッド間通信」) が簡単に実現できるのはなぜか。

略解

課題 1

ア: (6) プロセス

イ: (11) 交換

ウ: (15) 独立

エ: (8) メモリ空間

オ: (2) オペレーティングシステム

カ: (13) 共有メモリ

※ なぜこれら以外の語句が適切でないかを論理的に説明できるようにせよ。

課題 2

4 のみ。

3 はシステムクロックを使って実現はできる (ので、 不可欠ではない)。

5 は分割したものを一つずつ順番にコンパイルすれば実現できる (ので、 不可欠ではない)。

※ 4 のみが正解であることを論理的に説明できるようにせよ。

課題 3

省略

課題 4

メモリ空間を共有しているため、 そもそもデータ領域を共有しているから。

レポート課題 2025-05-02

「レポート課題 2025-04-11」と同じ。

https://lsnl.jp/~ohsaki/lecture/os/2025/#10-10

質問

- Semaphore を用いたプロセス間通信の制御を行うときに、一つのプログラムで正常にリソースの解放が行われなかった場合、影響を受ける他のプログラム結果はどうなるのでしょうか?

blocked 状態に入ったままになります (普通のプログラムであれば一定時間でタイム
アウトし、エラー処理を実行します)。

- 課題2で4のみが正解なのは、4では演算結果などの次の処理で必要な情報を渡す必要があるが、3ではその必要ないから(システムクロックでも制御できる)ということなのでしょうか。

  はい。「6/1(日)の正午にみんなでカレーを食べよう」とあらかじめ約束していれば、
  複数人で同期してカレーを食べられるのと同じです。



5. スケジューリング (1)

授業の流れ・チーム分けの方針・態度目標

2025-04-25 のものと同じ。

https://lsnl.jp/~ohsaki/lecture/os/2025/#12-1

内容目標

- スケジューリング (scheduling)、スケジューラ (scheduler)、スケジューリングアルゴリズム (scheduling algorithm) の違いを理解し、他人に説明できるようになる。

- 効率的なスケジューリングが困難である 4 つの理由を理解し、他人に説明できるようになる。

- 横取りなし (ノンプリエンプティブ) のスケジューリングと、横取りあり (プリエンプティブ) のスケジューリングが、それぞれどのような用途に向いているかを理解する。

- FCFS (First-Come First-Served) スケジューリングの動作をトレースし、ターンアラウンドタイムを計算できるようになる。

課題

資料

Scheduling disciplines
https://en.wikipedia.org/wiki/Scheduling_(computing)#Scheduling_disciplines

Turnaround time
https://en.wikipedia.org/wiki/Turnaround_time

課題 1

オペレーティングシステムにおける、 「スケジューリング (scheduling)」、 「スケジューラ (scheduler)」、 「スケジューリングアルゴリズム (scheduling algorithm)」とは何か。

課題 2

オペレーティングシステムにおいて、 効率的なスケジューリングが困難である理由を 4 つ説明せよ。

課題 3

横取りなし (ノンプリエンプティブ) のスケジューリングと、 横取りあり (プリエンプティブ) のスケジューリングは、 それぞれどのような用途に向いているか。

課題 4

下表に示すプロセス P1〜P4 を、 FCFS (First-Come First-Served) スケジューリングを用いて実行した時の、 各プロセスのターンアラウンド時間をそれぞれ答えよ。

| プロセス  | 生成時刻 [スロット]    | 計算時間 [スロット]   |
|----------+---------------------+---------------------|
| P1       |                   0 |                   4 |
| P2       |                   2 |                   8 |
| P3       |                   4 |                   2 |
| P4       |                  10 |                   2 |

略解

課題 1

次に実行すべきプロセスを選択すること (行為) が「スケジューリング」であり、 その選択方法 (計算手順) が「スケジューリングアルゴリズム」である。 オペレーティングシステム (= ソフトウェア) において、 スケジューリングを実施するソフトウェアが「スケジューラ」である。

課題 1 のヒント: 専門用語の読み解き方

情報工学の分野では、 カタカナ語が過度なまでに多用される。 専門用語はカタカナで理解するのではなく、 元の英語で理解するのがポイントである。

上の「スケジューリング (scheduling)」、 「スケジューラ (scheduler)」、 「スケジューリングアルゴリズム (scheduling algorithm)」の例で説明しよう。

まず、それぞれの英単語の品詞を理解する。 特に、schedule には名詞と動詞の両方が存在する。 名詞としての schedule なのか、 動詞としての schedule なのかを理解する。

scheduling は単語の形 (末尾が -ing) からわかるように、 schedule (動詞) の動名詞である。 scheduling は schedule (動詞) の動名詞なので、 「schedule すること」という名詞の意味を持つ。

scheduling algorithm は「動名詞 + 名詞」の形なので、 scheduling algorithm における動名詞 scheduling は動名詞の形容詞用法 (名詞を修飾する形容詞としての動名詞) である。

動名詞の形容詞用法には、 「sleeping bagy (眠っている赤ん坊)」と「sleeping bag (眠ることのための袋)」の 2 つのパターンがある。 scheduling algorithm は、 意味から考えて「スケジュールすることのためのアルゴリズム (纂法)」であることがわかる。

scheduler は名詞である。 語尾が -er で終わっていることから、 「schedule する人もしくはモノ」を意味することがわかる。

これらの英単語の意味や、 英語の文法を正確に頭に入れてから、 課題 1 の「略解」を読んでみよ。

課題 2

- プロセスの切り替えに時間がかかる (頻繁に切り替えると CPU が無駄になる)
- プロセスはブロックされるかもしれない (ブロックされると CPU を割り当てられなくなる)
- 必要な計算量は事前にわからない (事前にスケジューリング計画を立てるのが困難)
- 何が重要かは用途による (何が「良い」スケジューリングなのかは状況による)
※ 具体的な例を考えて、これら 4 つが本当に困難である理由であるかを理論的に説明できるようにせよ。

課題 3

横取りなし (ノンプリエンプティブ) → バッチ (サーバ向けの OS)
横取りあり (プリエンプティブ) → 会話型 (一般的なエンドユーザ向けの OS)
※ なぜそうなのかを理論的に説明できるようにせよ。

課題 4

FCFS (First-Come First-Served)

P1 ========
P2     ----================
P3         ----------------====
P4                     --------====
   + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
   0         5         10        15        20

ターンアラウンドタイム  
P1: 4 [スロット]
P2: 10 [スロット]
P3: 10 [スロット]
P4: 6 [スロット]
平均: 7.5 [スロット]

レポート課題 2025-05-09

「レポート課題 2025-04-11」と同じ。

https://lsnl.jp/~ohsaki/lecture/os/2025/#10-10

6. スケジューリング (2)

授業の流れ・チーム分けの方針・態度目標

2025-04-25 のものと同じ。

https://lsnl.jp/~ohsaki/lecture/os/2025/#12-1

内容目標

- 代表的なスケジューリングアルゴリズム (最短ジョブ優先方式、最小残り時間優先方式、ラウンドロビン方式) の特徴を理解し、他人に説明できるようになる。

- 代表的なスケジューリングアルゴリズムの動作をトレースし、ターンアラウンド時間の観点からそれぞれのスケジューリングアルゴリズムの特性の違いを理解できるようになる。

- 最短ジョブ優先方式や最小残り時間優先方式を現実のスケジューラで用いる場合に、どのような困難さがあるかを理解し、他人に説明できるようになる。

- ラウンドロビン方式のクォンタムの設定が、何と何のトレードオフであるかを理解し、他人に説明できるようになる。

課題

資料

Scheduling (computing)
https://en.wikipedia.org/wiki/Scheduling_(computing)

Shortest job next
https://en.wikipedia.org/wiki/Shortest_job_next

Shortest remaining time
https://en.wikipedia.org/wiki/Shortest_remaining_time

Round-robin scheduling
https://en.wikipedia.org/wiki/Round-robin_scheduling

課題 1

最短ジョブ優先方式 (SJF; Shortest Job First) と最小残り時間優先方式 (SRTF; Shortest Remaining Time First) の共通点と相違点をそれぞれ答えよ。

課題 2

下表に示すプロセス P1〜P4 を、 SJF および SRTF スケジューリングを用いて実行した時の、 各プロセスのターンアラウンド時間および平均ターンアラウンド時間をそれぞれ答えよ。

| プロセス  | 生成時刻 [スロット]    | 計算時間 [スロット]   |
|----------+---------------------+---------------------|
| P1       |                   0 |                   4 |
| P2       |                   2 |                   8 |
| P3       |                   4 |                   2 |
| P4       |                  10 |                   2 |

課題 3

課題 2 の表に示すプロセス P1〜P4 を、 RR (Round Robin) スケジューリングを用いて実行した時の、 各プロセスのターンアラウンド時間および平均ターンアラウンド時間をそれぞれ答えよ。 ただし、クォンタムは 1 [スロット] とし、 新規に生成されたプロセスはキューの末尾に追加されるとする。

課題 4

RR スケジューリングにおけるクォンタムを増加させると、 オペレーティングシステムのどのような特性が向上し、 また逆にオペレーティングシステムのどのような特性が低下するかを答えよ。

略解

課題 1

SJF も SRTF もジョブの実行時間が既知であることを前提としている。

SJF は横取りなし (non-preemptive) であるが、 SRTF は横取りあり (preemptive) のスケジューリングアルゴリズムである。

※ SJF や SRTF には複数の名称があることに注意する。 例えば、 SJF (Shortest Job First) は、 SJN (Shortest Job Next) や SPN (Shortest Process Next) とも呼ばれる。

補足: ジョブ、タスク、プロセスの違い

「ジョブ (job)」や「タスク (task)」は、 計算機上が実行する処理のひとまとまりを表す。 どのくらいの単位の処理をジョブと呼び、 どのくらいの単位の仕事をタスクを呼ぶかは決まっていない。 一般的に、 ジョブは比較的大きな処理を、 タスクは比較的小さな処理を表すことが多い。

FCFS や SJF のようなスケジューリングアルゴリズムは、 汎用のアルゴリズムである。 つまり、 プロセスのスケジューリングのために用いられる専用のアルゴリズムではない。 例えば FCFS は、 オペレーティングシステムにおけるプロセススケジューリングにも、 データベースにおけるトランザクションのスケジューリングにも、 ルータにおけるパケットのスケジューリングにも用いられる (ことがある)。 このため、FCFS や SJF のようなスケジューリングアルゴリズムでは、 ひとまとまりの処理を「ジョブ」と読んでいる。

オペレーティングシステムにおけるプロセスのスケジューリングでは、 「ジョブ」が「プロセス (もしくはスレッド)」に相当する。 従って、 プロセスのスケジューリングという文脈では、 「SJF は残り時間が最も短いジョブに CPU を割り当てる」と言っても、 「SJF は残り時間が最も短いプロセスに CPU を割り当てる」と言っても、 どちらも正しい表現である。 「ジョブ」と「プロセス」のどちらを使うかは、 何を表現したいかによる。

課題 2

SJF (Shortest Job First)

P1: 4 [スロット]
P2: 12 [スロット]
P3: 2 [スロット]
P4: 6 [スロット]
平均: 6.0 [スロット]

SRTF (Shortest Remaining Time First)

P1: 4 [スロット]
P2: 14 [スロット]
P3: 2 [スロット]
P4: 2 [スロット]
平均: 5.5 [スロット]

ここでは、 プロセスの切り替え時間をゼロとしている。 SJF よりも、 SRTF のほうがターンアラウンド時間が小さくなっている。

課題 3

RR (Round Robin)

P1: 5 [スロット]
P2: 14 [スロット]
P3: 5 [スロット]
P4: 4 [スロット]
平均: 7.0 [スロット]

ここでも、課題 2 と同じく、 プロセスの切り替え時間をゼロとしている。 RR のターンアラウンド時間が、 SJF や SRTF よりも大きくなっている。

課題 4

CPU の利用効率が向上する一方、 プロセスの応答性能が低下する (応答時間が増大する)。

参考: より多くのプロセスに対するシミュレーション結果

以下は、 より多く (16 個) のプロセスを、 FCFS、 SJF、 SRTF、 RR でスケジューリングした時のシミュレーション結果である。 4 つのシミュレーションにおいて、 プロセスの生成時刻および計算時間はすべて同じである。

FCFS (First-Come First-Served)

SJF (Shortest Job First)

SRTF (Shortest Remaining Time First)

RR (Round Robin)

ジョブの実行時間や残り時間を利用する (逆に言えば、 それが既知の時にしか使えない) SJF や SRTF の平均ターンアラウンド時間が小さいことがわかる。 また、 RR のターンアラウンド時間は、 これら 4 方式の中で最も大きい (ターンアラウンド時間の観点では最悪の性能) こともわかる。

レポート課題 2025-05-16

「レポート課題 2025-04-11」と同じ。

https://lsnl.jp/~ohsaki/lecture/os/2025/#10-10

※次回は講義形式で前半の総復習をします。 前半の内容で理解が不十分なもの、 疑問が残っているもの、 もっと知りたいものを整理しておいてください。 次回の授業では、 授業中に「みなさんが聞きたいこと」を書き込んでもらって、 それらについて私が解説します。


Hiroyuki Ohsaki (ohsaki[atmark]lsnl.jp)