ネットワークアーキテクチャ研究室 研究テーマ

ネットワークアーキテクチャ研究室の紹介は こちら

研究テーマの概要

新しいネットワークのアーキテクチャ (設計論) を創る

インターネット、モバイルネットワーク、IoT (Internet of Things)、セン サネットワーク、ソーシャルネットワークなど、さまざまな大規模ネットワーク が登場し、急速に発展しています。本研究室では、次世代の大規模ネットワーク を実現するための設計思想(アーキテクチャ) を確立し、未来のネットワーク社 会を創造するための研究に取り組んでいます。

「アーキテクチャ」とは「体系化された思想」を意味します。我々の研究室 では、未来の大規模ネットワークを「どうやって設計すればよいか?」という方 法論を確立することを目指しています。試行錯誤により、現在のネットワークの 弱点を手直したり、現在のネットワークに新しい付加的な機能を追加することも 大切なことではあります。しかし、そういったアプローチでは、あくまで「現在 のネットワークの延長線上」にしかたどりつけません。ネットワークアーキテク チャ研究室では、「すぐ使える」便利なネットワークを考えることよりもむしろ、 「30 年後のネットワークあるべき姿」を日々探究し続けています。

キーワード

  • 次世代ネットワーク
  • ネットワークアーキテクチャ
  • 大規模ネットワーク
  • 複雑ネットワーク
  • 情報指向ネットワーク
  • 遅延/分断耐性ネットワーク
  • 車載ネットワーク
  • グラフニューラルネットワーク
  • ネットワーク仮想化
  • ソーシャルネットワーキング (SNS)
  • ネットワークダイナミクス
  • トランスポートプロトコル
  • ネットワークモデル化
  • トラヒック制御
  • 情報拡散

研究グループ概要

LSC (Large-Scale Control) グループ

大規模ネットワークにおける分散型フロー制御による複数パス帯域割当て

ネットワークを自由自在に「制御」する

LSC グループでは、大規模・超高速ネットワークを、どうすれば自由自 在に「制御」できるかを考えています。

現在のインターネットは、膨大な数のノードが接続されており、史上 まれに見るほど大規模で複雑なシステムとなっています。インターネッ トは分散型のシステムであるため、このような大規模化にもかかわらず「な んとか」無事に動作しています。インターネットは、人類が生み出した人工 物の中では最大規模のものであり、すでに人間が直感的に理解できる規模を 超えています。このように複雑なシステムがどのように動作しているのか、 またそれをどのように制御すればいいのかはまったく分かっておらず、今な お未知の領域です。

そこで LSC グループでは、大規模・超高速ネットワークを、従来のよう な勘と経験に頼る手法ではなく、理論的なアプローチによって扱うため の学問体系を構築することを目指しています。これによって、従来の手 法ではまったく理解できなかった、大規模・超高速ネットワークの特性を分 析・理解することが可能となり、ネットワークを自由自在に「制御」できる ようになります。


CHN (CHallenged Networking) グループ

エピデミックブロードキャスト (ウィルスの拡散に着想を得た情報通信方式) による情報配信

未来のネットワークの「アーキテクチャ」を考案する

CHN グループでは、現在のインターネットではなく、未来のネットワー クがどうあるべきかを考えています。

現在のインターネットは、数十年前に設計された古い通信プロトコルを 基礎として、その上に多数の改良を重ねることにより作られています。この ため、インターネットにはさまざまな制約があり、インターネットに革新的 な機能を追加することは事実上不可能になっています。従来のインターネッ トの考え方に制約されない、新しいネットワークのあり方を考える必要があ ります。

そこで CHN グループでは、現在のインターネットとの互換性をいったん 忘れて、まったく新しいアプローチからネットワークを設計することを目指 しています。そのため、従来のネットワーク研究とはまったく異なった 自由な発想 (例えば、人間社会のしくみに学んだネットワークを考える) で研究に取り組んでいます。


SON (Social-Oriented Networking) グループ

複雑ネットワークにおけるカスケード (連鎖的) 故障のシミュレーション

新しい「ネットワークサービス」を発明する

SON グループでは、大規模・複雑ネットワーク上での、まったく新しい 「ネットワークサービス」を発明します。

現在のインターネットは確かに便利ですし、我々の日常生活を大きく変 えました。ただし、従来のネットワーク研究の多くは、「機械」と「機械」 の間で、いかに「速く・安く・確実に」情報を届けるかを中心に考えていま した。しかし、本当に重要なのは、「人」と「人」の間で、いかに「快 適に・自然に・楽しく」コミュニケーションできるかどうかです。

そこで SON グループでは、大規模・複雑ネットワーク上の仮想社会 (サ イバーソサイエティ) において、人々がもっと楽しく・快適に過ごせるよう にすることを目指しています。そのために、従来のネットワーク研究の体系 にとらわれず、まったく新しい発想で斬新な研究に取り組んでいます。これ によって、未知の研究領域を開拓するとともに、まったく新しい「ネッ トワークサービス」を創造します。


こんな人を求めています

ネットワークアーキテクチャ研究室では、私たちと一緒に楽しく研究に 取り組んでくれる、以下のような人を求めています。

  • 学部 4 年生

    論文を書いてみたい人。学会で発表してみたい人。明るく、元気が ある人。楽しいことが好きな人。論理的な思考ができる人、またはそう いう能力を高めたい人。UNIX 上でのプログラミング (主に Python) が 好きな人、得意になりたい人。留学生 (英語/日本語どちらかが話せる 方)も歓迎です。

    学部 4 年生としてネットワークアーキテクチャ研究室に配属される ためには、関西学院大学理工学部情報科学科に入学する必要があります。 詳しくは、 関西学院大学理工学部の紹介を参照してください。

  • 博士前期課程 (マスターコース)

    レベルの高い論文を書いてみたい人。国際学会で発表してみたい人。 明るく、元気がある人。楽しいことが好きな人。論理的な思考ができる 人、またはそういう能力を高めたい人。UNIX 上でのプログラミング (主に Python) ができる人、またはそういう能力を高めたい人。留学生 (英語/日本語のどちらかが話せる方)・他大学出身の方・飛び級入学の 方も歓迎です。

    博士前期課程の大学院生としてネットワークアーキテクチャ研究室 に配属されるためには、関西学院大学大学院理工学研究科情報科学科に 入学する必要があります。詳しくは、 大学院入学に関する情報を参照してください。

  • 博士後期課程 (ドクターコース)

    レベルの高い研究をしたい人。歴史に残る研究に挑戦したい人。元気 がある人。楽しいことが好きな人。論理的な思考がある程度できる人。基 礎的な英語力・ネットワークの知識がある人。数学的な素養がある程度あ る人、またはプログラミングがある程度できる人も歓迎です。留学生 (英 語/日本語どちらかが話せる方)・他大学出身の方・社会人の方も歓迎しま す。

    博士後期課程の大学院生としてネットワークアーキテクチャ研究室に 配属されるためには、関西学院大学大学院理工学研究科情報科学科に入学 する必要があります。詳しくは、 大学院入学に関する情報を参照してください。

  • ポスドク・RA (1 〜 2 名程度)

    レベルの高い研究をしたい人。歴史に残る研究に挑戦したい人。明る く、元気がある人。楽しいことが好きな人。基本的な研究遂行能力が身 についている人。数学的な素養がある人、またはプログラミングがある 程度できる人。外国人の方 (英語/日本語どちらかが話せる方方)・他大 学出身の方・企業出身の方も歓迎します。

    ポスドクもしくは RA としての受け入れを希望する方は、履歴書・業 績一覧・希望する研究内容 をこちらまでメー ルで送付してください。

ネットワークアーキテクチャ研究室での研究に興味のある方は、 こちらまで気軽に問 い合わせてください。研究室見学の希望も随時受け付けています。

ネットワークアーキテクチャ研究室は 2013 年にスタートした比較的新 しい研究室です。


Hiroyuki Ohsaki (ohsaki[atmark]lsnl.jp)